研究開発

撹拌翼とは?

撹拌翼(インペラ)は、撹拌機の心臓部とも言える最重量パーツです。
一言に撹拌と言っても、液体、固体、気体などを混ぜる、塊を解す、粒子を浮かす、小さくするなどたくさんの用途、目的があります。
また、対象となる母液や内容物の性状(比重、粘度、大きさなど)や条件(通気流量など)をよく把握し、目的や条件に合った適切なインペラ選びが良好な撹拌への近道となります。
目的ごとに求められる主に関連する攪拌作用を次表に示します。

撹拌翼の作用とフローパターン

各撹拌翼には、それぞれに持つ撹拌作用とフローパターンがあります。次表には、代表的な撹拌翼とフローパターンを示します。

プロペラの様に軸流型のインペラは、流動化作用が強く流体を動かす能力が高く、対称的にフラットタービンやディスパーは剪断・破壊作用つまり塊を壊したり、気泡を小さくしたりする能力が高くなります。この様に撹拌翼の形状や構造によって、撹拌による作用が異なります。

撹拌翼によって与える作用が異なりますが、同時に流体の流れも異なります。プロペラの様に流動化作用の高い撹拌翼の場合、翼から下に吐出する軸流型のフローパターンになります。一方で、剪断・破壊作用の高いフラットタービンやディスパーの場合、翼から真横に吐出する輻流となり、槽内では上下にそれぞれの循環流を形成します。ピッチドパドルやピッチドタービンはその中間の斜流の流れになります。

代表的な撹拌翼

高・中 Re 域対応

吐出型

3枚プロペラ

最も一般的な撹拌翼で、船舶用プロペラに由来し高吐出、低剪断型の軸流翼です。低粘度域で液-液混合、粒子の浮遊・分散など広い用途に使用されています。
3枚羽根が多いが、4枚以上の羽根を持つ場合もある

吐出・剪断の中間型

ピッチドパドル

最も一般的な撹拌翼のひとつ櫂形の羽根を持つ。簡単な構造で製作も簡単な為、古くから広く用いられてきた。吐出と剪断の両作用を持ち様々な目的で使用されます。
特に大型のタンクでは重宝され、4枚羽根のケースが多い。

ピッチドタービン

板羽根に傾斜と付けたタービン翼。軸流と
輻流の中間の斜流を形成します。軸流の流動化作用と輻流の剪断作用の両方を持ち合わせます。用途として、液-液分散、ガス分散、粒子分散など万能撹拌翼です。

高分散タービン

剪断型

フラットタービン

フローパターンは典型的な輻流で、剪断作用が高い撹拌翼で、開発者の名前からラシュトンタービンと呼ばれている。ガス分散が必要となるプロセスで広く使われている。その他に、高濃度スラリーの分散にも効果的。

ディスパー(DSインペラ)

ディスクの外周にノコ歯状のエッジを有し、高速回転により強力な剪断作用を起こします。輻流の流れを形成するが、大容量や高粘度の場合は、混合用撹拌機と併用することも多い。用途は、粉体溶解、乳化など。

高粘度・伝熱用

アンカーパドル

用途は主に、高粘性液や非ニュートン流体液の撹拌、混合で、そのインペラ外径は槽内径いっぱいにして使用されます。伝熱などの場合には、さらに内壁掻き取り用のスクレーパも用いられます。

リボン翼

高粘度液や非ニュートン液の混合・伝熱などに用いられ、構造としては、螺旋に巻いた帯状のブレードでシャフトより離れて槽内壁に沿ったものをヘリカルリボンといい、一方で、シャフトに直接巻かれるものをスクリューリボンと呼ばれます。

高効率撹拌翼 サタケスーパーミックスシリーズ