研究開発

研究開発

撹拌翼スーパーミックスシリーズ

私たちサタケでは、撹拌を流れ主体で考えています。
プロセスを考えることも、もちろん重要です。
しかし、ただ複雑化するのではなく系統立てて整理し、要求される撹拌作用を得るために必要な流体機械の性能を、流れの面から単純化して考えているのです。
そう考えますと、翼はあらゆる分野で細分化された撹拌目的を達成させるための”命”とも言えるでしょう。

一般的な撹拌翼として、高Re(撹拌レイノルズ数)域では3枚プロペラ、4枚ピッチドパドル、6枚フラット(ピッチド)タービンなどが、低Re域ではアンカー翼やヘリカルリボン翼などが用いられてきましたが、近年における多種多様化かつ複雑化する撹拌目的を達成する上で、これらは完全とは言えません。

そこで私たちは、撹拌目的を満足させる高性能撹拌翼について、翼の理論に基づいた研究・開発を進め、更に的確な運転条件の検討を加えることで、少しでもお客様のニーズにお応えすべく努力を続けております。
このようにして生まれた撹拌翼をスーパーミックスシリーズと呼びます。ここではその一例を紹介します。

高・中 Re 域対応

高吐出・高効率インペラ

Super-Mix HR100

Super-Mix HR100

翼平面形状および迎え角、カンバー比に対して検討を加え、多段折り曲げ構造とすることで、翼背面における流れの剥離を抑制し、高吐出性能を誇る省エネタイプの低剪断型撹拌翼です。

Super-Mix HR700

Super-Mix HR700

適度な前進翼形状を採用したねじり下げ円弧翼としました。翼平面形や迎え角、カンバー比は翼の性能を左右する重要な要素です。HR700インペラは吐出性能が極めて高い高吐出型インペラです。

Super-Mix HV200

Super-Mix HV200

三枚広幅翼と補助翼について研究を行った、サタケ独自の二重翼です。隙間フラップにおけるスロット効果によって主翼部の背面に生じる剥離部を打ち消し、整流することにより、吐出流量や最大吐出速度を大幅に増大させることに成功しました。

Super-Mix HR320

Super-Mix HR320

前進翼効果を取り入れ、更に翼先端に向う捩り下げを有する一段折り曲げ構造としました。翼背面における流れの剥離を抑制し、吐出能力を向上させた低速型撹拌機用撹拌翼です。

Super-Mix HR320S

Super-Mix HR320S

HR320をベースとし、二重翼構造を採用。槽底部近傍の撹拌と液面通過のよる振動を考慮し、独自の翼端板により制振対策を施した撹拌翼です。

Super-Mix HR800

Super-Mix HR800

主翼をテーパー翼、剥離を抑制する迎角とし、翼中心からの吐出を強化する二重翼構造を採用しました。スラリーの浮遊・流動化を、低動力にて効率的に達成する撹拌翼です。

高分散・高効率タービン/ 分散撹拌機/ 曝気インペラ

高分散ボトムインペラ

Super-Mix HS600

Super-Mix HS600

HS600系インペラは、単に翼単体ではなく撹拌槽をはじめとする撹拌装置として研究・開発されたもので、槽内における圧力分布のコントロールにより固-液及びスラリー撹拌をはじめとする「均一分散系」における撹拌作用を向上させたインペラといえます。

高剪断輻流タービン

Super-Mix HS100

Super-Mix HS100

タービンとして極めて低い動力数を実現しました。(対6FT動力数比:約65%減)従来型タービンと比較して液流動化作用が高く、高いガス吸収性能が得られます。低動力にて翼の揚力により流れを集中させ、吐出場の圧力勾配・変動を利用して強い剪断・破壊作用を生み出します。

高分散タービン
(ディスク無し)

HS124ND/HS134ND

HS124ND/HS134ND

ガス吸収性能を更に高めるために開発された高ガス吸収性能を持ったディスク無しのタービン翼です。上下それぞれの翼が、有効な吐出作用を有しており、更に高いガス吸収性能・要求OTR を達成します。

高効率分散撹拌機

スーパーシェアミキサー ロータ/ステータ

スーパーシェアミキサー
ロータ/ステータ

ミキシングヘッド部のロータ/ステータが円錐状で、それぞれに1/4半球状のキャビティ(くぼみ)を多数有しています。ロータを高速回転させると、液体はミキシングヘッド部の小径側より吸引され、ロータとステータ間の狭い隙間でせん断を受けながら通過します。さらに、その隙間の両側に形成されたキャビティの内部で激しい渦がロータとステータ両側で多数発生し、その渦同士が激しくぶつかり合い、強力な分散・破砕作用が加えられます。

高効率表面曝気インペラ

Super-Mix SA200

Super-Mix SA200

後退・テーパー翼形状を採用した表面曝気翼です。上部円盤により液を薄膜状に飛散する分散形態(アンブレラ)を作り出すことにより、液表面への吸上げ(揚程)効率とガス吸収効率の向上を図りました。

自吸式高分散インペラ

GD220

GD220

水素添加反応に代表される「液表面からのガス吸収」を目的としたインペラです。この特徴的な翼形状により、撹拌エネルギー及び回転数をそのままに高い翼先端周速が得られました。それにより液表面から槽底部に強く引き込む流れと、槽底部から強力な吐出流を形成し、高効率なガス吸収性能を達成しました。

高・中・低 Re 域対応

広幅・大型インペラ

Super-Mix HS600

Super-Mix MR203

MR203インペラは主に中~低Re域を目的として開発された特殊大型広幅翼で高混合性能を有しています。サタケ独自の鋸刃型特殊形状と槽下部に向かう台形型形状、軸中心部クリアランス効果により強い吸い込み流とともに大循環流を生み出します。特に付着を嫌う場合や洗浄性を重要視する場合に適しています。

Super-Mix MR205

Super-Mix MR205

二重翼効果をもつ大型広幅翼です。主翼前面と補助翼面の圧力差により高粘度液体でも半径方向に強力な吐出流が得られます。また、主翼部下方の翼径を大きく台形型とすることで、槽底から液表面に向かう強い上昇流も生まれます。さらに、主翼切り欠き部を鋸刃状にすることで混合不良部を完全に除いた均一混合を実現しました。

Super-Mix MR210

Super-Mix MR210

MR210インペラは、シンプルな構造と少ない翼面積で有効な液流動化作用と混合作用を得るため、主翼と軸のクリアランス効果による液表面からの吸い込み流強化に加え、槽内の圧力分布を考慮した垂直方向の翼面積を検討することにより、撹拌性能の向上のみならず動力低減にも寄与する高効率型の撹拌翼です。

MR210SL-C

MR210SL-C

重合反応槽などの液レベル変動、粘性変化、徐熱の問題全てを解決することを目的としたインペラです。特徴としてはインペラ内部の断面をラビリンス構造にすることで、軸から注入された熱媒または冷媒がショートパスすることなく、インペラ内部をめぐります。それにより、インペラ自身を伝熱面として活用することで効率的な伝熱が行うことができます。

MR220Sc

MR220Sc

低粘度液から超高粘度液への幅広い粘度域において冷却時間の短縮など伝熱操作の効率化を実現します。スクレープ翼による伝熱面の効率的な『かきとり』と、特殊形状の主翼による内部流体とかきとられた液との強力な熱混合の相乗効果により、高い伝熱性能を発揮します。

Super-Mix LR500

Super-Mix LR500

従来、撹拌槽での混合が困難であった超高粘度域(撹拌Re数1以下)での混合性能を大幅に向上させることに成功した中心軸なし重ね合わせ撹拌翼です。多段に傾斜配置した翼により、強力な上下流を発生させ、さらに槽底部の混合を強化するため、底面翼を設けました。傾斜翼により、高い混合性能を実現しました。

高Re 域/ 液面・Re 変化対応

高効率蒸発/濃縮インペラ

クロスエヴァ HRX300

クロスエヴァ HRX300

極めて高い撹拌・混合性能を維持しながら、伝熱面を有効利用できる液跳ね効果を有したインペラです。高い撹拌・混合性能を有し、低Re数領域での撹拌も可能であり、蒸発作用以外に撹拌混合作用の向上が求められる系において、力を発揮します。

クロスコンク MRX300

クロスコンク MRX300

満液時の低粘性流体時には、液の飛び跳ね効果を利用した蒸発効率の向上を果たし、粘性が増加するに従って高粘性撹拌に優れた撹拌作用と、補助翼による『強制伝熱面液盛り上がり効果』を発揮するように開発された、濃縮撹拌に力を発揮するインペラです。

システム/特殊用途

完全密閉撹拌機専用インペラ/ハイブリットミキシングシステム/RBミキシングシステム

自己浮遊型
底面型マグミキサー
(完全密閉撹拌装置)

HS604MB

HS604MB

医薬品・化粧品・食品・ファインケミカル等では構造、メンテナンス、クリーン性の面から完全密閉型の撹拌装置が求められます。サタケフローティングマグミキサーは自己浮遊型インペラを備えた底面型マグミキサーです。簡単に取り外しができるインペラ、自己洗浄軸受け、簡易構造によりサニタリー性に優れています。インペラには高性能撹拌翼スーパーミックスHS604MBを採用することでワンランク上のスペックを提供します。

高効率分散・混合
複合型撹拌装置

ハイブリットミキシングシステム

ハイブリット
ミキシングシステム

作用の異なる2種の撹拌翼を備えた複合撹拌装置です。
低速軸にはスーパーミックスMR210インペラを採用し、槽内に高い均一混合性能を発揮します。一方、高速軸にはスーパーシェアミキサーを採用し、効率良く分散・乳化を行うことができます。さらに、高速軸側からのフローはMR210インペラのフローを強化するため、より、均一混合性能が高まります。

高効率・低剪断型
撹拌装置

RBミキシングシステム

RBミキシングシステム

インペラによって撹拌槽内に旋回流を作り出し、撹拌槽底部で中心に向かう旋回流(境界層効果)を効率良く竜巻状の上昇流に交換する『放射状ブレード』から構成され、従来の撹拌に対する概念からは考えられないフローパターンを形成するシステムとして確立しました。旋回流が主流のため、これによって翼近傍での相対速度差を減じることにより、バイオをはじめ薬品、水処理など低剪断撹拌を効率よく行うことが可能です。